ホーリー祭

ホーリ―祭の日には銀河で特別なイベントが開催されるため特別なエネルギーが醸成されるといいます。マインドを象徴する月と魂を象徴する太陽がユニークな位置関係を形成するからです。月はウッタラパルグニ、そして太陽は180度離れた魚座のウッタラバドラパダを通過するホーリ―祭の日、そこに意識を合わせていると、その人に大きな変革がもたらされます。

ですからそのパワーを有効に活用し悪習慣、負の連鎖を断ち切ることができるのです。思い癖やネガティブな行動パターン、自分にとってもはやためにならない関係は自己破壊的な結果につながってしまいます。

汚い心の悪習慣が続くと、その人にはどんな顛末が待ち受けているか、聖典プラーナには次のような話があります。

悪の王ヒランニャカシプの息子プララーダはダイティヤ(悪魔)の血をひいていながら、幼少のころより清い心を持つ少年でした。邪悪な心のヒランニャカシプはヴィシュヌ神を崇拝しないようプララーダに日々話していました。

プララーダはそんな父の言葉を聞き入れずヴィシュヌに祈り続けました。そんな状況が続くとヒランニャカシプは息子であるにも関わらずプララーダを崖から突き落としたり、猛獣に喰わせようとしたり、あらゆる方法で彼を殺そうとしました。

しかし聖人のこころを持つプララーダは、そんな危機に直面するたびバガヴァーンによって救われたのでした。

一方ヒランニャカシプがそこまで傲慢であったのには訳がありました。

ヒランニャカシプは、長い苦行の末、シヴァ神よりどんな敵にも、神であれ人であれ、昼にも夜にも、家の中でも外でも、地上でも空中でも、どんな武器によっても決して殺されることはない、という恩恵により保護を受けていたのです。

ヒランニャカシプはとうとう妹のホーリカにプララーダを殺すよう命じました。ホーリカは火を通さないショールを持っていました。ある日ホーリカはそのショールを身にまとい、膝の上にプララーダをのせ彼に火をつけました。それでもプララーダはヴィシュヌ神の保護を受け怪我ひとつしなかったのです。

悪行を繰り返す父ヒランニャカシプの行動を見ては嘆いていたプララーダは、それでも毎日純粋な心のままヴィシュヌ神に祈りを捧げ続けました。

そんなある日の午後、あることに腹を立てたヒランニャカシプがその怒りをプララーダにぶつけようとしたその瞬間、家の柱からライオンの頭と人の身体を持つヴィシュヌ神の化身ナラシンハが突如現れたのでした。

ナラシンハはおぞましい形相で鋭い爪と牙をむき出しにすると、ヒランニャカシプをひょいと担ぎ上げ、玄関の入り口まで運んでいきました。

超人的なナラシンハの力に手も足も出ないヒランニャカシプはそこで最期の時を迎えます。

家の外でも内でもない玄関の敷居で、人とライオンの姿を取ったナラシンハにより、地上でも空中でもないナラシンハの膝の上で、どんな武器でもない神の化身の素手と牙によりヒランニャカシプは喰い殺されたのでした。

プララーダは手を合わせナラシンハの首に花輪を捧げ、その蓮華の御足にひれ伏しました。

ヴィシュヌプラーナには、何故ホーリー祭が神聖な日であるか明確に示されています。一度プララーダを殺そうとしたホーリカは悪魔ではなく、清い心を持った人間だったというのです。だから彼女は何度もヒランニャカシプにプララーダを殺害しようとしないよう懇願した。それでも王は彼女の忠告を聞き入れなかった。ホーリカがプララーダを火によって殺そうとしたとき、実は彼女は自分のショールで甥を守っていたのです。

つまりホーリカの思いと意思が悪の連鎖を断ち切ったのです。だから彼女は自分を犠牲にしてまでプララーダを守ることを決めたのです。ホーリカがこのような神聖な行動を取った日こそがホーリ―祭のその日なのです。

そして、ヒランニャカシプはその一か月後、ヴィシャカの満月の前日のチャトルダシの日にヴィシュヌ神によって滅ぼされたのでした。

ホーリカがダルマ(正義)を選択し負の連鎖を断ち切ったように、われわれも自分の弱さを断ち切ることができる。そうすればこの世の悪がひとつ滅びるのです。

今年のホーリ―祭は3月28日になります。今から気持ちも新たに特別な日にしたいですね。




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