アクシャヤトリティヤの秘密
【健康と繫栄を授けるクベラ神】
アクシャヤトリティヤのトリティヤは、新月の次の日から数えて3日目という意味。
ではアクシャヤという言葉にはどんな意味があるのでしょうか。
アクシャヤとは終わりなき、永遠を表す言葉。その日に心を込めてやること、始めることは永続化すると伝えられています。ヴェーダの聖典を紐解くと、アクシャヤトリティヤにまつわるどんなエピソードがあるのでしょう。
聖典プラーナの神話に隠された暗号を解くとアクシャヤトリティヤの神秘が浮かび上がってきます。スカンダプラーナ、バヴィシャプラーナによるとヴィシュヌ神の化身パラシュラーマはアクシャヤトリティヤに降誕したとされています。パラシュラーマというアヴァターには多くの特性がありましたが、そのうち最も重要なのは彼がチランジーヴィであったこと。
歴史的にインドには7人のチランジーヴィが存在しています。彼らはカリユガの時代の最後まで「永続的に」生き続ける存在です。
パラシュラーマのほかに、ハヌマーン神、マハバーラタに登場する導師ドローナの息子アシュヴァッターマンやクルクシェートラの戦いで最後まで生き残ったクリパ、ラーマーヤナで悪の王ラヴァナの弟ヴィビーシャナ、ヴェーダ聖典、プラーナおよびマハバーラタを編纂したヴィヤ―サ仙がいます。
そのような神秘的で永遠を象徴するチランジーヴィに思いを馳せ、人々はアクシャヤトリティヤの日に特別な願望成就の祈りを捧げるのです。
健康が欲しい、肉体に滋養を与えたい、何か新しいエクササイズや施術をこの日に開始するとよいと言われ、また難病を抱えているなら、この日にヤッギャや特別な治療が勧められるのはそのためです。
世界で最も長く後世まだ語り継がれる聖なる叙事詩マハバーラタもアクシャヤトリティヤの日に、ヴャ―サとガネーシャ神によって編纂および書記の作業が始まったといわれています。
またマハバーラタの中で、パンダヴァ兄弟が13年間森に左遷された際に、食事の時間になると永遠にご馳走が現れる黄金のプレートがスーリャ神(太陽神)から贈られたのもアクシャヤトリティヤに他ならないのです。
ですからアクシャヤトリティヤという1年で1番吉兆な日に、われわれも純粋なハートで人類や動物にチャリティーをしたり、献金活動をしたり、また何か新しいことを始めることは、永続的な幸運につながるのです。
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