マハシヴァラトリ
パルグニ月(2月中旬から3月中旬)の
クリシュナパクシャ(月が新月に向かう)の
13日目の夜から14日にかけて
毎年マハシヴァラトリが祝われます。
(今年は2月21日の夜から22日)
23年前、私にとって初めてのマハシヴァラトリは
ニューヨークのマンハッタンの
サイババセンターで世界各国の帰依者と
一晩中バジャン(キルタン)を歌い祈ったものでした。
シヴァラトリの日にはシヴァプージャや
シヴァ神のマントラを唱えることで
カルマの軽減、および罪の浄化ができると
言われています。
聖典プラーナはもちろん、マハーバーラタでも
シヴァ神は頻繁に登場します。
悪魔であろうと、人であろうと、苦行や瞑想、
そしてシヴァ神の御名を唱えれば
いつかシヴァはその人の願いを叶えてくれます。
他の神々に比べ、シヴァ神は割と簡単に修行者の祈りにこたえ、
ご褒美を授けてくれると伝えられています。
しかしあなたが本当にダルマ(正義)の道を歩むなら
シヴァは長期的な計画のもとあなたを引き受け、
しっかりと解脱の道に導いてくれます。
その場合、大きな修行や苦しみ、損失や失敗を
伴いますが、神は最後まで責任をもって
あなたを守り導いてくれるのです。
プラーナには乳海攪拌のストーリーが
あります。
アムリタ(永遠の命を与える神秘の甘露)を
と抽出しようとデーヴァ(神々)とラクシャサ(悪魔)が
クシラサーガラ(ミルクの海)を攪拌します。
するとハラハラという毒が湧き上がってきます。
慌てたデーヴァたちはカイラサ山のシヴァ神に
助けを求めに行きます。
シヴァ神は人類を救うため、その毒を全て
飲み干したのでした。
こうした犠牲によりシヴァ喉は青く焼けてしまったため、
シヴァはニーラカンタ(青い喉を持つ神)と
呼ばれるようになりました
シヴァ神が毒を取り去ると、乳海からは
次々と宝が出現し、
カーマデーヌ(願いを叶える牛)や
全ての富を授ける女神ラクシュミー、
そしてアーユルヴェーダの神ダンワンタリが
アムリタの壺を持って現れデーヴァを祝福しました。
この時乳海から出てきた宝石のように輝く三日月
はそれ以来、シヴァ神の髪に飾られたのです。
人がダルマの道を歩む時、必ずや過去生や
過去からの負のカルマが毒のように
溢れ表面化します。
そんな時、わたしたちは苦しみや試練に倒れそう
になることもあるかもしれません。
それでも淡々とマントラを口にし
主を瞑想する者は必ずその試練を乗り越え、
大きな勝利を収めます。
マハシヴァラトリは帰依者にとって
その意思を再確認し、更に高みを目指し
自らの言動、行動、想念を清める誓いを
立てる日です。
その日だけご利益を求め祈ればそれだけの
結果が得られるかもしれませんが
長期的なもっと崇高なゴールを胸に
シヴァ神に全てを託す日、
それが真のシヴァラトリなのです。
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