カルナのヴァイラーギャ

6月14日はミトゥナサンクランティ。

太陽が双子座に入ります。

この1か月の太陽の牡牛座での

滞在が終わる訳です。

そして15日はレヴァティで

また1つナクシャトラのサイクルも

完了します。

そして月は21日にアマヴァスヤ(新月)

を迎え、ジェシュタ月が終わります。


1つのテーマ、気づき、使命が

終わる時。

自分の中で学びをダウンロードする時です。


この1か月半はマハバーラタを

また読み返す機会でもありましたが

そんな中自分にとってのメインテーマは

やはりヴァイラーギャでした。


ヴァイラーギャ(無執着)とは

ヨガやギータ、または禅の哲学でも

お馴染みのワードですが、ものにするには

何度も何度も輪廻転生を繰り返し

自分と、そして現実と向き合わなければ

克服することはできませんね。


ただマハバーラタを「正しく」読む事で

そのプロセスをぐっと加速することができる

と個人的に益々実感している今日この頃です。


クンティーとスーリャ神の息子として

生まれるとすぐに河に捨てられ

クシャトリヤの王子でありながら

馭者の息子として育てられたカルナ。


彼の生き方にはヴァーラーギャの

エッセンスが詰まっています。

彼はパンダヴァ兄弟の中でも

最もチャリティー精神に溢れ

寛大で惜しみなく財産や財宝を

ブラフマーナや国民に分け与えます。


戦いに必要な唯一スーリャ神から授かった

黄金のカヴァチャ(鎧)とイヤリングさえ

自分の身体から引きちぎり、

僧侶に扮したインドラに迷わず手渡してしまいます。


カルナにとってカヴァチャを手放すということは

戦で命を落とすことを意味するのに、

また僧侶の正体はインドラ神と気づいていながら

それも自分の運命と受け入れ究極の

ヴァイラーギャを実践してみせたのです。


そんなカルナの寛容さと潔さを

陰ながら評価していたのがクリシュナ神でした。

クルクシェートラの戦いが始まる前

クリシュナはカルナに会いに行き、

パンダヴァ族の長男として第2の人生を

送るよう、促します。

それでもドリョーダナへの忠誠心は全く

ブレることなく彼はパンダヴァの王としての

座にも、そして兄弟たちへの愛さえ

迷わず無執着の心を見せるのでした。


ユディシュティラがダルマ(正義)の

名においてヴァイラーギャを実践したのに対し、

カルナは最後は愛の力により

ただシンプルに全てを手放すことが

できたのだと言われています。


わたしたちの人生においても

ヴァイラーギャの精神がなくては

モクシャに到達することはなく、

また日々のディヤーナ(瞑想)でも

無執着の心なくしてはサットチットアーナンダ

に浸ることさえできません。


みなさんそれぞれ、マハバーラタのどの

テーマが最も胸に刺さったでしょうか。


去年カルナの美徳という記事を

パート3まで書いてありますので

是非読み返してみてください。

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